亜細亜映画れびゅう 五十音別 あ行
【あ行】 紅いコーリャン 1987年度 中国 張藝謀(チャン・イーモウ)監督作品 この映画を初めて見たときの衝撃は忘れられない。 目も眩まんばかりの色彩があふれかえる映像。泥臭くてスマートさのかけらもない物語展開。 しかし、なんと見事で力強い映画なのだろうか。ほとばしるような生命のきらめきを感じる作品だった。 骨太で男臭い姜文(チアン・ウェン)と、泥にまみれて尚したたかに美しく光る鞏俐(コン・リー)。 この二人の共演がまたいいのだ。 |
| 青いパパイヤの香り 1993年度 仏・越南 トラン・アン・ユン監督作品 鮮烈で瑞々しい映像美を眺めるだけでもこの映画を見る価値は充分あるだろう。 ストーリーは平板でやや退屈ではあるが、それでもハッと息を呑むような映像の美しさは それを補って余りある。 熱帯の植物群やヒロインの髪と肌が、アジア特有のねっとりとした湿気に包まれて官能的な輝きを放つ。 ぞくぞくするほど綺麗なアジアの風景がそこにある(但し撮影はフランスのスタジオだと聞いたけどね:笑) |
| あげまん 1990年度 日本 伊丹十三監督作品 伊丹作品の中でもけっこう好きな映画。 おそらく、宮本信子夫人のために作られた脚本なのだろう。 小粋で可愛い彼女の魅力が余すところ無く描かれている。 華やかな花柳界の様子もまた興味深く面白かった。ラストシーンの風情がなんともいいねー。 |
| AKIRA 1988年度 日本 大友克洋監督作品 発表当時、世界のアニメ界を震撼させ、今もなお熱狂的なファンの支持を受け続けるアニメーション映画。 ストーリーは荒唐無稽。しかし、この映像センスはぶっ飛びまくっている。感動ものであります。 破壊的なエネルギーを持った映像は、有無を言わさずに見る者をなぎ倒すような衝撃を与える。 後にマイケル・ダグラス、高倉健、松田優作の「ブラックレイン」の中で、AKIRAのワンシーンが まんまモチーフとして使われていて、思わずクスリと笑った。 |
| あの子を探して 1999年度 中国 張藝謀監督作品 現代中国における貧しい農村地帯の現実をいやおうなく見せつけられる。 聞いた話によると、今でも中国では義務教育ですら充分に受けられない子どもがたくさんいるのだとか。 ヒロインの幼さが、一生懸命さが、切なく痛々しい。見ていられない。 むろん、滂沱の涙でありましたが・・。 |
| あの夏、いちばん静かな海 1991年度 日本 北野武監督作品 キタノ映画は最近のは苦手になったが、初期作品は好きだった。これもそのひとつ。 独特の突き放したような間と透明感のただよう映像。素敵だ。 淡々と流れる時間。淡々と進む物語・・・正直、眠くなるけれど、この流れに身を任せるのが心地よい(笑) |
| 雨あがる 2000年度 日本 小泉尭史監督作品 故・黒澤明監督の遺稿をもとに作られた作品。 清く正しく美しくな貧しい侍とその妻の心温まる物語であります。しかし、黒澤テイストにこだわる余り、 映画自体がなんとなく窮屈で萎縮してしまった感がある。 惜しいね、良い話なのに。 |
| 生きる 1952年度 日本 黒澤明監督作品 不朽の名作。死期の迫ったひとりの人間が、今までの人生を振り返り、命の尽きるその時まで改めて 「生きよう」と決意する。前向きに生きていこうと決意する。なりふり構わず懸命に生きる主人公が胸をうつ。 自分がこの世に生を受けて生まれてきた理由、それは「生きる」ことなのだと気づかされる。 誰しもが等しく限られた時間と命しか持っていないのだ。 あなたはこの映画の主人公のように、自分の生命を輝かせていますか? |
| 活きる 1994年度 中国 張藝謀監督作品 革命の動乱を背景に、泥の中を這いずり回るように必死に生きていく家族の話である。 主人公、福貴の軽妙なキャラのお陰で話が暗い方向にいかずに済んだ。辛酸を極めた苦労を 舐め尽くす物語であるのに。これを見て、チャン・イーモウ監督独特の「こってりさ加減」が すいぶん抜けたなあと感じた。いや、シニカルな笑いをとるとこなんかは変わってないけどね(笑) ひじょうに心に残る力のある映画ですよ、これは。 |
インファナル・アフェア 2002年度 中国(香港) 劉偉強(アンドリュー・ラウ)監督作品 中国語のタイトルは「無間道」。これは絶え間なく続く苦痛を意味する言葉なのだそう。 物語は、潜入捜査官(梁朝偉 トニー・レオン)と潜入組織員?(劉徳華 アンディ・ラウ)の 二人を軸に、ひじょうにテンポ良く進み、最後まで飽きさせない。 屈折した潜入捜査官の苦悩と、上昇志向が強く野心満々な潜入組織員の対比が面白く、 また、芸達者な二人が役どころにピッタリはまっているのも素晴らしかった。 ・・・ついに香港映画もここまで来たか。と、このリキの入った映画を見てしみじみ思ったりして。 |
| 王様の漢方 2002年度 日本・中国 牛波監督作品 日中国交正常化30周年記念作品。ちなみにヒーリングムービーなのだそうだ。 率直に言う。なんじゃこりゃ!? 結局のところ、一体何が言いたかったのだ??? 焦点が絞り切れていないうえに、退屈この上ないストーリー進行とどーでもいいエピソード群。 農薬汚染の野菜ネタなど、これだけ中国の農薬問題が世間を騒がせている今となっては 出来の悪いブラックジョークにしかみえない。 中国の名優、朱旭も役どころが掴みきれていなかったのか全く良いところがない。 本当ならば肉球1ヶで充分な代物だが、それでも劇中の朱旭による太極拳が良かったので 特別にもうひとつ肉球を増やした。ったく、しょーもないぞね! |
お葬式 1984年度 日本 伊丹十三監督作品 伊丹十三監督の処女作。ただでさえマニアックな人が、一体どんな映画を作ったのだろうかと 興味津々だった。ワクワクしながら見た。そして伊丹映画の信者になった(笑) この映画の撮影に使われたのは、実際に伊丹監督の持ち物である湯河原の別荘らしい。 そのせいもあって、舞台となる山奥の家には、セットでは出せないような生活感が漂っていた。 私はこの森の奥に建てられた緑あふれる家が好きでたまらない。 物語もなかなかに面白い。「人生最後の花道であるお葬式」という一大イベントにまつわるよもやま話と 人間模様が、時にはコミカルに、また時にはもの悲しく描かれていて何度見ても見飽きない。 |
鬼が来た! 2000年度 中国 姜文監督作品 戦中の日本軍が中国大陸で犯した悪逆非道な行いを知っている側からみれば、 こんな日本人の描かれ方も納得できる。と思ったら、中国側ではそれでもまだ描写がぬるいと 批判が巻き起こったそうな。私たち日本人は、あの国の人々にどれだけ酷い仕打ちをしたのだろうか。 平伏して詫びたい気持ちになる。 それにしても、姜文監督はやってくれたね。この映画は力強く静かに心に響く。 戦争を知らない若い世代の日本人は見るべきだろう。 |
おばあちゃんの家 2002年度 韓国 イ・ジョンヒャン監督作品 親の都合で山奥の崩れかけた家に住む、「おばあちゃんの家」に預けられた都会育ちの 小生意気な少年が主人公。 おばあちゃんは齢80に近く、腰は曲がり、耳は聞こえるが言葉を失っている人なのだけれど、 この人の全てを受け止め、全てを受け入れるような自然な生き方は、次第にかたくなな少年の心を開いていく。 人それぞれの生き方は色々あろうが、改めて人の優しさや大きさということを考えてみたりした。 じんわりと浸みてくる余韻の深い感動作です。 |
男たちの挽歌 1986年度 香港 呉宇森(ジョン・ウー)監督 徐克(ツイ・ハーク)制作 こりゃもう下手な言葉はいらない。香港ノワールの伝説的な作品だもんね。 この映画、とにかくかっこいいのだ男たちが!!(とくに周潤發) ムショ帰りのホーとマークの再開シーン。罠に嵌められたホーの仇をとるために、 料亭に単身殴り込みをかけるマーク。やくざな兄貴ホーと、ばりばり優秀な刑事キッドの実の兄弟ゆえに 生まれる葛藤と苦悩。そして、ド派手な銃撃戦。 まったく実に、何から何までかっこいいのだ!!! |
男たちの挽歌2 1987年度 香港 呉宇森監督 徐克制作 一作目が大当たりをとって作られた続編。のせいか、どうなのか、前作で華々しく散ったはずのマークに いつのまにか双子の弟ケンがいたという設定に。 気が付けば、主役もなにげなく交代してるし(笑) まあしょうがないよね。周潤發、かっこよすぎだもん。 挽歌2は、ただもう發仔のかっこよさだけを堪能する映画なんだけど。あはは |
男たちの挽歌3(アゲイン) 1989年度 香港 呉宇森監督作品 徐克制作 この映画、一作目に続く二作目も大ヒットを記録した後、おそらく三匹目のドジョウを狙って 作ったのだろうね(笑) 話は2の続きではなく、こんどはマークの若いころの武勇談になってるのだが・・・ ストーリーはもう「男たちの挽歌」から全くかけはなれ過ぎて、見る側もいやおうなしに盛り下がる。 今は亡き梅艶芳(アニタ・ムイ)が華やかなアクションを披露している。 |